ゲーム&ウオッチ「ボール」
概要
ゲーム&ウオッチ「ボール」は、任天堂が1980年に発売した初代携帯型液晶ゲーム機「ゲーム&ウオッチ」シリーズの第一弾です。この製品は、任天堂がアーケードゲームから家庭用ゲーム機への移行を図るなかで開発され、シンプルながらも中毒性のあるゲーム性が高く評価されました。プレイヤーは画面上のキャラクターを左右に操作し、ジャグリングしているボールを落とさないように操作します。
この「ボール」の成功が、その後のゲーム&ウオッチシリーズの拡大、さらにはゲームボーイやニンテンドーDSなど、任天堂のポータブルゲーム機の基礎を築くことになりました。
「広告」
発売日と当時の定価
-
発売日: 1980年4月28日(昭和55年)
-
当時の定価: 5,800円(税込)
仕様詳細
項目 | 内容 |
---|---|
製品名 | ゲーム&ウオッチ BALL(ボール) |
型番 | AC-01 |
シリーズ | GAME & WATCH(ゲーム&ウオッチ) |
発売元 | 任天堂株式会社 |
電源 | ボタン電池(LR43 × 2個) |
画面 | モノクロ液晶ディスプレイ(LCD) |
サイズ | 約100mm × 65mm × 12mm |
重量 | 約70g(電池含む) |
操作ボタン | 左右のボタン(十字キーではない) |
ゲームモード | GAME A(2つのボール)/GAME B(3つのボール) |
アラーム機能 | あり(時計表示中にアラームセット可能) |
「ゲーム&ウオッチ」という名称の通り、ゲーム機能だけでなく時計・アラームの機能も備えており、当時としては画期的な携帯機能を持つ製品でした。
ゲーム内容と操作方法
「ボール」は非常にシンプルながら奥深いゲーム性を持っています。プレイヤーは左右のボタンを操作し、中央にいるキャラクターの手の動きを制御します。ゲームAでは2つ、ゲームBでは3つのボールが空中に舞い続けており、それを落とさずにジャグリングし続けることが目的です。
-
ゲームA(2ボール): 初心者向けでボールの速度は遅め。
-
ゲームB(3ボール): 上級者向けで難易度が高く、より早い反射神経が求められます。
失敗してボールを1回でも落とすとゲームオーバーになるシビアなルールも特徴です。
知識
1. ゲーム&ウオッチの原点
「ボール」は任天堂が初めて発売したゲーム&ウオッチの記念すべき第1号モデルです。開発は横井軍平氏が中心となって行われ、電卓の液晶技術を応用することでコンパクトなゲーム機を実現しました。
2. ビジネスマンの暇つぶし用だった
ゲーム&ウオッチの発想は、新幹線や通勤電車の中でサラリーマンが暇つぶしできるようにというアイデアから生まれました。当時のビジネスマン向け商品としても販売されていたというユニークな背景があります。
3. 初期モデルならではのデザイン
「ボール」の外装はシルバーのメタリック調で、後のマルチスクリーン型やカラー筐体とは異なり、非常にシンプルな仕上がりです。画面下には「GAME A」「GAME B」「TIME」などの物理ボタンが配置されており、操作感も素朴です。
4. 任天堂クラブでの復刻版
2009年、任天堂は「クラブニンテンドー」の会員向け特典として「ボール」の復刻版を配布しました。このバージョンでは、マリオがジャグリングをしているイラストに変更されており、デザインの違いが話題となりました。
「広告」
総合評価
「ボール」は、今でこそ非常にシンプルなゲームに見えるかもしれませんが、1980年当時としては画期的なポータブルゲーム機であり、その後のゲーム機史に大きな影響を与えた製品です。
-
ゲーム性: ★★★★☆
-
デザイン: ★★★☆☆
-
希少価値: ★★★★★
-
歴史的意義: ★★★★★
携帯ゲームの元祖として、今なお多くのファンに愛され続ける名機です。コレクションアイテムとしても高く評価されており、レトロゲームファンにとっては外せない一台です。