冷蔵庫の処分方法と費用まとめ|わかりやすい解説 迷わず手軽に捨てるには?

引っ越しや買い替えなどで不要になった冷蔵庫、どう処分したらいいか分からないという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、冷蔵庫を処分するための具体的な方法や費用、注意点について、初心者の方にも分かりやすく解説します。

冷蔵庫は「家電リサイクル法」の対象品目です

冷蔵庫は「家電リサイクル法」の対象製品のため、自治体の粗大ごみには出せません
そのため、適切な手続きを踏む必要があります。

1. 冷蔵庫を処分する前に確認すること

冷蔵庫の処分を進める前に、いくつかの重要な準備と確認事項があります。これらを事前に済ませておくことで、正確な費用を把握し、処分作業を円滑に進めることが可能になります。

1.1. 冷蔵庫の容量とメーカーの確認方法

冷蔵庫のリサイクル料金は、その容量(170リットル以下か171リットル以上か)とメーカーによって異なるため、正確な費用を把握するために事前に確認が必須です 。この情報を確認せずに処分を依頼すると、手続きに手間取ったりする可能性があります。

冷蔵庫の容量やメーカーを確認するには、まず冷蔵庫の扉の内側、特にドアポケットの後方や側面に貼られている「型式表示ラベル」を探してください。このラベルには、型番や容量(リットル数)が明記されています。

1.2. 霜取り・水抜き、庫内を空にするなどの事前準備

まず、冷蔵庫内の食品や異物をすべて取り除き、庫内を完全に空にしてください 。異物が残っていると、回収業者が引き取りを拒否する原因となることがあります。

次に、霜取りと水抜きを行います。冷蔵庫を運び出す1日前には電源コードを抜き、ドアを開けて霜を溶かします。準備を怠ると運搬中に水が漏れて家を汚したり最悪の場合、回収を拒否される可能性もあります。

2. 冷蔵庫の主な処分方法と費用相場(処分のみの場合)

冷蔵庫の処分方法はいくつかあり、それぞれに特徴と費用が異なります。ここでは、新しい冷蔵庫を購入せずに、現在お使いの冷蔵庫を処分する場合の主な方法と費用相場について解説します。

2-1. 以前購入した店舗または家電量販店に引き取りを依頼する

家電リサイクル法により、家電販売店には、過去に販売した家電製品の引き取り義務があります。そのため、処分したい冷蔵庫を購入した店舗に引き取りを依頼するのが、最も基本的な処分方法の一つです。もし購入した店舗が不明な場合でも、近くの家電量販店に相談すれば引き取ってもらえる場合があります。この方法は、手続きが比較的簡単で、自宅まで引き取りに来てくれるため、自分で重い冷蔵庫を運ぶ手間が省けるという大きな利点があります。また、大手企業に依頼できるため、安心して任せられるという安心感もあります。

ただし、購入店以外に引き取りを依頼する場合、収集運搬料金が高くなる傾向がある点には注意が必要です。依頼後、指定された方法で収集運搬料金とリサイクル料金を支払い、指定された日時に冷蔵庫を引き渡す流れとなります 。

  • 費用
    家電リサイクル料金:3,740円〜4,730円(税込)
    収集運搬料金:1,650円〜3,300円程度
    訪問費:1,650円〜3,300円程度

「リサイクル料金」は文字通りリサイクルするのにかかる費用となります。
「運搬費」は依頼された業者が指定引取場所まで運搬する費用となります。
「訪問費」は自宅へ冷蔵庫を回収に行く際にかかる費用となります。

2-2. 指定引取場所へ自分で持ち込む

冷蔵庫を処分する費用を最も抑えたい場合、自分で指定引取場所へ持ち込む方法が有効です。この方法の最大の利点は、収集運搬料金がかからないため、リサイクル料金のみで処分できる点にあります。

手続きの流れは以下の通りです。

  1. 冷蔵庫のメーカー名と容量(リットル数)を事前に確認します。
  2. 最寄りの郵便局で「家電リサイクル券」を受け取り、必要事項(メーカー名、容量など)を記入し、リサイクル料金を支払います。(別途手数料 数百円が必要)
  3. 支払い済みの家電リサイクル券と、冷蔵庫を自分で最寄りの指定引取場所まで運び込みます。持ち込み前に、指定引取場所の営業時間や受付条件を電話などで確認しておくことが重要です 。

この方法で必要な費用は、冷蔵庫のリサイクル料金のみで、容量に応じて3,740円〜5,600円程度が相場です。費用を安く抑えられるというメリットがある一方で、冷蔵庫を自分で運搬・運び出す必要があるため、手間と労力がかかります。

費用
家電リサイクル料金:3,740円〜4,730円(税込)
リサイクル券支払い時に手数料:数百円程度
自分で運ぶため運搬費用は不要

指定引取場所の検索https://www.e-map.ne.jp/p/rkcsymap/?

2-3. 自治体指定の回収業者に依頼する

冷蔵庫を購入した店舗が不明な場合や、家電量販店に依頼できない状況では、お住まいの市町村が案内する方法に従って処分することが可能です。

自治体によって対応方法は異なるため、まずは各自治体のホームページを確認するか、直接問い合わせて詳細を確認することが重要です。多くの自治体では、一般廃棄物収集運搬業の許可に依頼をするか「家電回収協力店」や指定の業者が、家電リサイクル法の対象品目の回収を代行しています。

この方法では、リサイクル料金と収集運搬料金の両方がかかります。自宅まで引き取りに来てもらえますが、宅内まで引き取りに来てもらえるのか?玄関前までなのか?など業者により対応が異なりますので要確認です。

2-4. 不用品回収業者に依頼する

不用品回収業者に冷蔵庫の処分を依頼する方法は、最も手軽で便利な選択肢の一つです。業者が自宅まで冷蔵庫を回収しに来てくれるため、重い冷蔵庫を自分で運び出す手間が一切かかりません0。また、日時の融通が利きやすく、急いで処分したい場合にも柔軟に対応してくれることがあります。冷蔵庫以外にも、他の不用品をまとめて回収してもらえる「積み放題プラン」などを提供している業者もあり、引っ越しなどで複数の大型ごみを処分したい場合には、個別に依頼するよりもお得になる可能性があります。

不用品回収業者に依頼する最大のデメリットは、他の処分方法に比べて費用が高めになる傾向があることです。さらに、悪質な不用品回収業者によるトラブルが多発しているため、業者選びには細心の注意が必要です

【重要】悪質な不用品回収業者を見分けるポイントとトラブル時の相談先

不用品回収業者は非常に便利ですが、残念ながら中には不法投棄や高額請求などのトラブルを引き起こす悪質な業者も存在します。消費者がこれらの業者に騙されないためには、以下のポイントをしっかりと確認することが不可欠です。

見分けるポイント:

  • 「無料回収」を過度に強調する業者に注意: 大音量で「無料で何でも回収」とアナウンスしながら街を巡回する業者や、空き地で回収を行う業者は、不法投棄や高額請求などのトラブルにつながる可能性が非常に高いため、避けるべきです。家電リサイクル法の対象品目である冷蔵庫は、リサイクル料金と収集運搬料金が法律で定められており、原則として無料で処分することはできません。
  • 明確な料金体系: 料金体系が不明瞭であったり、追加料金の有無が明記されていない業者は避けるべきです。信頼できる業者は、無料見積もり(訪問見積もりを含む)に対応しており、費用の内訳を明確に提示してくれます。見積もり書は必ず書面で受け取り、不明な点は納得がいくまで質問しましょう。
  • 会社情報・連絡先の確認: 公式サイトに会社の所在地、固定電話番号、実績などが明確に公開されているか確認します。住所や電話番号が記載されていない、または架空の情報の可能性のある業者は危険です。実際に電話をかけてみて、対応が誠実かどうかも判断材料になります。
  • 口コミ・評判のチェック: インターネット上の口コミや評判を事前に確認し、信頼性の高い業者を選びましょう。

3. 冷蔵庫処分にかかる費用の比較

冷蔵庫の処分にかかる費用は、主に「リサイクル料金」と「収集運搬料金」の2つで構成されます。リサイクル料金は全国一律ですが、収集運搬料金は依頼する業者や方法によって大きく変動するため、総費用に差が出ます。

4.1. リサイクル料金の目安(容量別)

リサイクル料金は、家電リサイクル法で定められており、メーカーや容量によって異なりますが、主要メーカーの料金は以下の通りです 2。この料金は、どの方法で処分しても基本的に発生する、いわば「基本料金」のようなものです(買い取りや譲渡で処分する場合は不要です)。

冷蔵庫のサイズ リサイクル料金(税込)
170L以下 (主に一人暮らしの2ドア) 3,740円
171L以上 4,730円

この表は、冷蔵庫の処分にかかる費用のうち、どの方法を選んでも基本的に発生する固定費を示しています。この料金は、リサイクルプロセスを支えるために必要な費用であり、ユーザーが処分方法を検討する際の出発点となります。

4.2. 収集運搬料金の目安(各処分方法別)

収集運搬料金は、依頼する小売業者、不用品回収業者、または自治体指定業者によって大きく変動します。この料金が、最終的な処分費用に最も影響を与える要素となります。そのため、複数の業者や店舗の料金を比較検討することが、費用を抑える上で非常に重要です。

以下に、主要家電量販店に処分のみを依頼した場合の収集運搬料金の例を示します。家電量販店によって、同じリサイクル料金でも収集運搬料金が大きく異なることが分かります。

【主要家電量販店の収集運搬料金例(処分のみ)】

家電量販店 冷蔵庫のサイズ リサイクル料金(税込) 収集運搬料金(税込) 合計費用(税込)
170L以下
ヤマダ電機 170L以下 3,740円 2,200円+訪問回収費2,750円 8,690円~10,549円
ケーズデンキ 170L以下 3,740円 2,200円+出張費3,300円~ 9,240円~
ビックカメラ 170L以下 3,740円 6,000円 9,740円~11,599円
エディオン 170L以下 3,740円 1,100円 (250L以下) 4,840円
171L以上
ヤマダ電機 171L以上 4,730円 2,200円+訪問回収費2,750円 9,680円~11,099円
ケーズデンキ 171L以上 4,730円 2,200円+出張費3,300円~ 10,230円~
ビックカメラ 171L以上 4,730円 6,600円 10,730円~12,149円
エディオン 171L以上 4,730円 1,650円 (251L以上) 6,380円

この表からは、同じリサイクル料金でも、家電量販店によって収集運搬料金が大きく異なります。

最後に、各処分方法の費用相場と主なメリット・デメリットを比較した表を提示します。これにより、ユーザーは自身の状況に最適な処分方法を一目で確認することができます。

【冷蔵庫処分方法と費用相場比較表】

処分方法 費用相場(円) 主なメリット 主なデメリット
家電量販店(処分のみ) 5,940円〜12,149円 手続きが手軽、自宅まで回収に来てくれる 費用が高めになる傾向、店舗によって料金差が大きい
指定引取場所へ持ち込み 3,740円〜5,600円(リサイクル料金のみ 最も安価に処分できる 自分で運搬・運び出しが必要、手間と労力がかかる
自治体指定業者 5,000円〜8,000円(札幌市例) 購入店不明でも適切に処分できる、自宅回収 自治体によって対応や費用が異なる、回収日時が限定的
不用品回収業者 6,000円〜15,000円(単品) / 8,000円〜1.5万円(軽トラック) 最も手軽、日時指定の柔軟性が高い、複数品目も可 費用が高めになる傾向、悪質な業者によるトラブルに注意
リサイクルショップ/フリマアプリ 0円〜(収入あり) 処分費用がかからず収入になる可能性 買い取り不可の場合がある、手間、売れるか不明、送料負担の可能性

5. よくある質問(FAQ)

冷蔵庫の処分に関して、多くの方が抱える疑問点について、Q&A形式で詳しく解説します。

Q1: 冷蔵庫はなぜ粗大ごみで出せないの?

A1: 冷蔵庫は「家電リサイクル法」の対象品目であり、有用な資源(鉄、銅、ガラス、プラスチックなど)を再利用するために、国によってリサイクルが義務付けられているからです。粗大ごみとして処分すると、これらの資源が埋め立てられたり、不法投棄されたりするリスクがあるため、法律で厳しく定められた方法で処分する必要があります。この法律は、資源の有効活用と環境保護を目的としています。

Q2: リサイクル料金はどうやって調べるの?

A2: リサイクル料金は、冷蔵庫の容量(170L以下か171L以上か)とメーカーによって異なります。正確な料金は、一般財団法人家電製品協会家電リサイクル券センターのウェブサイトで、メーカー名や製品の種類から検索して確認できます 5。ご自身の冷蔵庫の容量は、冷蔵室ドアの型式表示ラベルや取扱説明書で確認できます。事前に確認することで、正確な処分費用を把握し、スムーズな手続きが可能になります。

Q3: 収集運搬料金はどこで確認できる?

A3: 収集運搬料金は、依頼する家電量販店、不用品回収業者、または自治体指定業者によって大きく異なります。そのため、各事業者のウェブサイトを確認するか、直接電話で問い合わせて見積もりを取る必要があります。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。収集運搬料金は、総処分費用に大きな影響を与えるため、この比較が費用を抑える鍵となります。

Q4: 冷蔵庫の容量がわからない場合は?

A4: 冷蔵庫の容量は、通常、冷蔵室ドアのドアポケット後方に貼られている「型式表示ラベル」に記載されています。また、購入時の「取扱説明書」の仕様ページでも確認できます。これらの情報が見つからない場合は、メーカーのお客様相談センターに問い合わせることで確認できます。容量が不明なままでは正確なリサイクル料金が算出できないため、必ず事前に確認するようにしましょう。

まとめ:自分に合った冷蔵庫の処分方法を見つけよう!

冷蔵庫の処分は、家電リサイクル法に基づき、リサイクル料金と収集運搬料金の負担が必須であることを改めてご理解いただけたでしょうか。冷蔵庫は単なる廃棄物ではなく、貴重な資源として再利用されるべき対象です。

本記事でご紹介した各処分方法(家電量販店への依頼、指定引取場所への持ち込み、自治体指定業者への依頼、不用品回収業者への依頼、買い取り・譲渡)には、それぞれ異なるメリットとデメリット、そして費用相場が存在します。

  • 費用をできるだけ抑えたいのであれば、指定引取場所への持ち込みが最も安価です。ただし、自分で運搬する手間と労力がかかります。
  • 手間をかけたくないのであれば、家電量販店や自治体指定業者、不用品回収業者への依頼が便利です。特に不用品回収業者は日時の融通が利きやすいですが、費用が高めになる傾向があります。
  • 臨時収入を得たいのであれば、冷蔵庫の状態が良ければリサイクルショップでの買い取りやフリマアプリでの出品も検討できます。ただし、買い取りが保証されるわけではなく、手間や時間がかかることもあります。

ご自身の状況(費用、手間、時間、他の不用品の有無など)を考慮し、最適な処分方法を選ぶことが重要です。特に不用品回収業者を選ぶ際は、悪質な業者による高額請求や不法投棄などのトラブルを避けるため、必ず許可を持つ信頼できる業者を選び、事前に料金をしっかり確認することが不可欠です。

正しい方法で適切に冷蔵庫を処分することは、法律を遵守し、環境保護に貢献するだけでなく、ご自身がトラブルに巻き込まれることなくスムーズに手続きを完了させることにもつながります。本記事が、冷蔵庫の処分に迷う方々にとって、分かりやすく、役立つ情報源となることを願っています。